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人とAI、それぞれの翻訳アプローチについて

企業のグローバルコミュニケーション能力を強化するための鍵、それが翻訳です。人による翻訳とAIによる翻訳、それぞれにはどのような特長・適用例があり、どのように活用すれば効果的なのでしょうか。この記事では、この2つの翻訳方式のメリット・デメリットを詳細に解説し、どのように組み合わせると最も効率的な翻訳ができるのか、具体的にご紹介します。

目次[非表示]

  1. 1.人による翻訳の特徴
    1. 1.1.メリット
    2. 1.2.デメリット
  2. 2.AIによる翻訳の特徴
    1. 2.1.メリット
    2. 2.2.デメリット
  3. 3.人による翻訳・AIによる翻訳 それぞれの適用例
  4. 4.パートナーシップの可能性
  5. 5.まとめ



人による翻訳の特徴

メリット

人による翻訳の最大の長所は、細やかさと豊かな表現力です。高度な洞察力と理解力により、微妙なニュアンスや暗黙の意味合いも表現することができます。また、文化的な背景知識や筆者の想いを正確に伝えることが可能です。
人による翻訳は独自性と創造性で優れているといえます。文化的背景や慣習、二重意味や比喩、感情など、機械翻訳では捉えることが難しいとされている要素を明瞭に翻訳文に反映することができます。また、文脈や状況に合わせて柔軟に対応することも可能です。

デメリット

人手翻訳は長年の経験と学習によって磨き上げられた技術であり、その質は高いと言われています。一方で翻訳の完成までに時間がかかることが欠点です。その理由としては、訳文を生成する際に掛かる時間や、レビュー期間、場合によっては多数の翻訳者間での調整が必要になるためです。複数の作業者が必要になることから、コストがかかることも欠点の1つとして挙げられます。



AIによる翻訳の特徴

メリット

AIによる翻訳の主な長所は、速さと一貫性です。AIは高速で翻訳することが可能で、人(翻訳者)が何時間もかけて行う翻訳作業を数秒で終えてしまいます。近年、AIやディープラーニングの技術が進化し、その精度が大幅に向上しています。大量の文章を短時間で翻訳するという点においては人に比べて極めて優れているといえるでしょう。
また、AIによる翻訳は大量の文章を一貫性を保ちながら翻訳する能力に優れているといえます。特定の単語群やフレーズ・決まったパターンに対する翻訳は、人が毎回同じように翻訳するよりも、一度学習させたAIに全てを任せた方が効率的であり、一定の品質を保証することが可能です。過去の翻訳データを学習する能力も持っているため、一貫性を保つ大規模なプロジェクトで活躍するといえるでしょう。

デメリット

AIによる翻訳は複雑な表現や文化的背景を完全に理解することができないため、精度に限界があります。AIは文章に書かれていない文脈を理解することが難しく、言葉やフレーズの意味を文脈に沿って正確に捉えて翻訳することが難しいとされています。また、特定の分野や専門的なトピックに関する文書を翻訳するには専門用語や知識が必要となります。AIにはこれらの専門用語や知識を正確に翻訳することが難しく、誤訳が発生してしまうことがあります。




人による翻訳・AIによる翻訳 それぞれの適用例

人による翻訳は、内容が複雑で文化的背景や文脈の深い理解が求められる場合、または品質が重視される状況で使用するのが良いといえます。ビジネスの場面ですと、社長挨拶のようなメッセージ性の高い文章や商品のキャッチコピー、社外会議で使用されるスライド資料などは人間による翻訳が適しています。
一方で、AIによる翻訳は大量の文章を迅速に翻訳する必要がある場合や、文脈や感情表現等があまり重要でないケースに適しています。数百ページある学術論文を内容把握のために読みたい場合や、簡単なビジネスメールなど、より早く翻訳を完成させる必要がある場面でAIによる翻訳は有用です。



パートナーシップの可能性

最近では、人の細やかな理解とAIの高速な処理能力を組み合わせる試みが行われています。例えば、初稿をAIで翻訳し、その後に翻訳者が細部の調整を行うというアプローチです。これはポストエディットと呼ばれる作業で、AIによる翻訳のメリットである高速翻訳と、人による翻訳のメリットである細やかさと豊かな表現力の両方を活かすことができます。ポストエディットにより、翻訳者のストレスを軽減しながら、高品質な翻訳を効率的に提供できる可能性が高まっています。翻訳者がAIの能力を理解し、効果的に活用することで、より高品質で効率的な翻訳を生み出すことが可能になるといえるでしょう。


ポストエディットについてはこちらの記事で詳しく解説しています。併せてご覧ください。

  ポストエディットとは? 翻訳に必要な理由とメリットを解説 コンピュータで自動翻訳する機械翻訳の浸透に伴い、“ポストエディット”と呼ばれる翻訳作業の重要性が増しています。ポストエディットを適切に行うことで、機械翻訳のスピード感を維持したまま、人手翻訳の高い品質を実現できます。 この記事では、ポストエディットの基本概要や翻訳に必要な理由、メリットについて解説します。「機械翻訳をする際にポストエディットが必要か知りたい」「ポストエディットのメリットについて把握したい」と考えている担当者の方は、ぜひ参考にしてください。 株式会社インターグループ




まとめ

この記事では、人とAIそれぞれの翻訳アプローチ について以下の内容を解説しました。


  • 人による翻訳の特徴

  • AIによる翻訳の特徴

  • 人による翻訳・AIによる翻訳 それぞれの適用例

  • パートナーシップの可能性


機械翻訳と人手翻訳、それぞれに特性と能力、制限があります。機械翻訳は大量のデータを迅速・一貫性を持って翻訳できる一方、特定の文化的または感情的な表現を完全に理解して再現することはまだ難しいとされています。人手翻訳はその柔軟性と創造性から高品質な結果を得ることができますが、時間とコストがかかることや人特有のエラーが発生する可能性があります。どちらの方法を選ぶかは、具体的なニーズや条件によると言えます。
それぞれの長所を活かし、短所を補完することで、優れた翻訳が生まれる可能性があります。どちらの翻訳方法にも理解を深め、より適した方法で翻訳することがこれから必要なスキルとなるでしょう。 AIの進歩により、新たな可能性が広がっています。それを有効活用し、翻訳の品質向上につなげていくことが求められます。

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