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より高品質な翻訳へ!翻訳スタイルガイドの効果

翻訳のスタイルガイドは、翻訳において重要な役割を果たします。丁寧な言葉遣いや親しみやすい文体など、読みやすい翻訳を作成するためのルールが定められたものを翻訳のスタイルガイドと呼んでいます。翻訳に関わる作業者がスタイルガイドに沿って翻訳を行うことで、一貫性を保ちながら読み手に最適な翻訳を完成させることが可能になります。
この記事では、スタイルガイドの役割や読み手にとっての読みやすさについて解説します。

目次[非表示]

  1. 1.スタイルガイドとは
  2. 2.スタイルガイドの役割
  3. 3.丁寧な文体と親しみやすさのバランス
  4. 4.要求される読みやすさ
  5. 5.まとめ



スタイルガイドとは

翻訳のスタイルガイドとは、翻訳における一貫性やスタイルを指針としたドキュメントのことを指します。簡単に言えば、同じ会社やプロジェクト内で使われる統一された翻訳のルールブックと言えます。
スタイルガイドには、様々な要素が含まれています。例えば、文体や語彙・用語の統一、数値や通貨の表記、固有名詞の翻訳方法などが挙げられます。これらのガイドラインに従うことで、翻訳の一貫性が保たれ、読み手にとって分かりやすい文章を提供することができます。
 
文体の統一
(例文)これはリンゴです。食べごろなのでとても美味しい。

「ですます調」と「である調」が統一されていないため、読みづらい印象を受けます。文体を統一することで文章に統一感がうまれ、読み手にとって理解しやすい文章になります。

数値や通貨の表記
(例文)このサービスは年間¥12,000、月額にすると1,000円です。

通貨の表記がそれぞれ「¥」と「円」になっていて、統一されていません。読みづらいだけでなく、間違いにも繋がりやすいため、表記を統一することがベストです。


スタイルガイドの役割

翻訳者は、記事の内容を正確に伝えるだけでなく、読み手にとっても理解しやすい翻訳を心掛けなければなりません。そのためには、スタイルガイドに基づいて適切な表現や文体を選ぶことが必要です。


なぜ、翻訳のスタイルガイドが重要なのでしょうか?それは、翻訳の一貫性を確保するためです。翻訳は翻訳者・チェッカー・校正者など複数の人が関わることが一般的であり、個々の作業者が自由に文体や表現を選ぶと、結果として文体がバラバラになってしまいます。しかし、スタイルガイドがあれば、どの作業者も同じルールに従って翻訳することができます。


また、スタイルガイドは読み手にとっても便利な存在です。例えば、会社の製品やサービスを提供する際、スタイルガイドに従った翻訳を使用することで、顧客に統一感を与えることができます。これにより、会社のブランドイメージを高めることができるのです。


さらに、スタイルガイドは効率性を高める役割も果たします。翻訳の際に時間をかけることなく、ガイドラインに従って翻訳することができれば、翻訳プロジェクトの進行スピードを向上させることができます。翻訳者は、スタイルガイドを参照することで、翻訳のルールを簡単に確認することができます。


翻訳のスタイルガイドは、翻訳品質の向上や一貫性の確保、ブランドイメージの構築、効率性の向上など多くの役割を果たしています。



丁寧な文体と親しみやすさのバランス

翻訳のスタイルガイドでは、一般的に丁寧な文体を使用することが求められます。敬語や丁寧な言葉遣いを使うことで、読み手への敬意や尊重を示すことができます。また、親しみやすさも大切な要素です。読みやすさや興味を引くためには、堅苦しさを避けて、自然な文体を心掛けることが重要です。


まず、ビジネス文書や公式な文書では、丁寧語を使うことが重要です。これは、相手に対して敬意を示すためであり、ビジネス上の礼儀としても必要です。しかし、丁寧語だけでは相手との距離感が遠くなってしまう場合があります。特に、ブログ記事などの文体では、読み手に親しみを感じてもらえることが重要です。


では、どのように丁寧な文体と親しみやすさのバランスをとることができるのでしょうか?
まずは、丁寧な表現を使いながらも、読み手に対して共感を呼ぶような表現を取り入れることが大切です。例えば、「みなさん」「あなた」といった言葉を使用することで、読み手に直接訴えかけることができます。

また、敬語を使う際にも、適度なふだん語やくだけた表現を取り入れることで、親しみやすさを演出することができます。「です」「ます」といった丁寧な表現に加えて、「だよ」「だね」といったくだけた表現を組み合わせることで、バランスを取ることができます。


自分らしい個性を出すことも大切です。文体が同じであっても、書く人によって表現の仕方は異なるものです。丁寧な文体と親しみやすさを上手に組み合わせることで、読み手にとって魅力的な記事を作ることができます。



要求される読みやすさ

読みやすい文章とは、言葉遣いや文体が読み手にとって分かりやすく、親しみやすいものです。読み手がテキストをスムーズに理解できることで、情報の効果的な伝達やコミュニケーションが可能になります。
では、どのように文体を工夫すれば要求される読みやすさを実現できるのでしょうか?


①簡潔な表現を心がけること
長い文章や冗長な表現は、読み手にとって負担となります。要点を明確にし、必要最小限の言葉で伝えることが大切です。


②言葉遣いに気を使うこと
丁寧語である「です」「ます」を使用することで、相手に対する敬意を示し、読み手に親しみを与えることができます。ただし、堅苦しさを感じさせない程度の普段語も取り入れると、より自然な流れのある文章になります。


③分かりやすい説明や具体的な例を使うこと
専門的な知識や専門用語を使用する場合でも、読み手が理解しやすいように、適切な説明や具体例を交えることが必要です。これにより、読み手との共通の理解を深めることができます。


④段落を使って文章を整理すること
長い文章を一つのまとまりにせず、段落ごとにテーマや内容を区切ることで、読み手にとってわかりやすくなります。適切な見出しや箇条書きを使うことも、視覚的に情報を整理する助けになります。
 
要求される読みやすさを実現するためには、簡潔さ、丁寧さ、具体性、整理された構成が欠かせません。読み手の立場に立ちながら文章を書き、伝えたい情報を効果的に伝えることが大切です。読み手の立場に立ち、親しみやすく分かりやすいテキストを提供することで、文章のクオリティをアップさせることができます。



まとめ

この記事では、翻訳のスタイルガイドについて以下の内容を解説しました。

  • スタイルガイドとは

  • スタイルガイドの役割

  • 丁寧な文体と親しみやすさのバランス

  • 要求される読みやすさ

翻訳のスタイルガイドは、翻訳において重要な役割を果たします。丁寧な文体や親しみやすさを意識して翻訳を行うことで、読み手にとって理解しやすい文章を作成することができます。スタイルガイドに基づいたルールやガイドラインを守りながら一貫性のある翻訳を行うことで、読者の関心を引きつけるような魅力的な翻訳にすることができます。

インターグループでは、翻訳者だけではなくチェッカーや校正者など全ての作業者にスタイルガイドの遵守を通達し、読み手にとって最適な翻訳を提供しています。

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